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ピアノコラム piano column

 

[入学試験でカンニング!]
覗き見した学生

[入学試験で
カンニング!]
覗き見した学生

音楽大学の入学試験は実技だけではない。
英語、国語といった一般高校で勉強するモノもあるが、ソルフェージュと言って音楽基礎能力を見る試験がある。
新曲視唱(初めて見る楽譜を音名で歌う)、新曲試奏(初めて見る楽譜を演奏する)いずれも、いかに正確に再現できるかだ。
また、聴音では、先生が弾く短いピアノ曲や和音を楽譜に書き取るテストもある。
それに、楽典。これは音楽の基礎知識を見るための筆記問題である。

この楽典の試験会場で問題が起こった。
受験生は長机の端と端に遠く離れて座る。前後も一列おきでお互いの解答用紙は見えない距離だ。
それなのに…
ブレザーを着た一人の女子受験生の様子がおかしい。
自分が座っている椅子から半ば立ち上がる様にして前の席の受験生の答案用紙を覗き込んでいるではないか!

盗み見? カンニング?
コレはまずい!

見回りをしているH先生がその受験生の前に立ちはだかった。
ここで騒ぎを起こすと、他の受験生にも影響するだろうと考えたH先生は覗き見した受験生を静かに教室の一番後ろの席にと移動させた。試験はそのまま続行された。
時間になり、その子の答案用紙を見るとほとんど白紙だった。
なぜかホッとした。
実技の腕がどの程度かは知らないが、こんな不正をする様な学生はイ・ラ・ナ・イのだ!
音楽の世界は一歩づつ練習を重ねて、努力の結果がモノを言う所です。
理論はそのために必要な知識だからこそ入学試験にあるのです。
ちゃんと自分で勉強して、準備が出来たら、改めて受験して下さい。

受験生諸君! 努力はきっと結ばれる!


長廻かおる

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