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ピアノコラム piano column

 

[コンクール落選!]
親の心、先生の心

「だめだった…」

○○ちゃんの名前は呼ばれなかった…
間違えたわけではない…
止まったわけではない…
忘れたわけでもない…
スラスラ弾けたじゃないか! 少しバランスが悪かったが…
良く歌っていたじゃないか! 少し表現が弱かったが…
○○ちゃんの中では、それなりに良く弾けていた。
コンクールにチャレンジしたいと言ったのは○○ちゃん自身だ。
今日まで本当に一生懸命練習してきた。

○○ちゃんの目は涙の洪水。お母さんも泣いている。
仕事を抜けて会場に駆け付けたお父さんは納得のいかない顔をしている。
「先生、お世話に成りました。ご期待にそえずすみません。」力なく弱々しいお母さんの声。
こんな時、何て言ったら良いのだろう。
コンクールは残酷だ。
「今日の経験を肥料にして、成長しましょうね。来年もう一度チャレンジする?」
思い切って聞いてみた。
お母さんとお父さんは困惑したように二人顔を見合わせた。
「やる!来年もう一度コンクール受ける!」大きな声で○○ちゃんが言った。
手で涙をぬぐった。
「絶対、絶対、コンクールやる!」何度も何度も○○ちゃんは言った。

「良し!大丈夫!○○ちゃんは絶対上手になれる!」
私は確信した。


長廻かおる

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