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ピアノのいろんなハナシ article

ピアノの選び方

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ピアノの選び方

 

これからピアノを習う時の最初の大仕事が楽器の購入です。

ピアノと一口に言ってもピンからキリまで色々なタイプ、種類、価格があり、悩むところです。

選ぶ基準とは?

各ピアノの特徴を説明しますので、是非自分の価値観にあったものを選んでください。

A.電子ピアノ・キーボード

A.電子ピアノ・
キーボード

電子ピアノ・キーボードのメリット

電子ピアノ・キーボードの
メリット

値段も安く、小型で音量調整ができるし、ヘッドホンを使えば、周囲に気兼ねなく何時でも練習出来ます。

持ち運び可能なモノは路上ライブなどで見かけたこともあるでしょう。

最近は ピアノ=電子ピアノ と思われるくらい普及しています。

お子さんの始めてのお稽古、大人の趣味でドレミの読み方などを習うだけならば、電子ピアノも充分役目を果たせるでしょう。

また、既にピアノが上手に弾けて仲間たちとセッションをしたり、移動ライブ時にも携帯可能なキーボードは便利な楽器です。

電子ピアノ・キーボードのデメリット

電子ピアノ・キーボードの
デメリット

しかし、「本当にピアノが上手になりたい!」と思ってレッスンを始めるのならば、本物のピアノを準備すべきです。

住宅事情や経済事情等考慮すべき問題はありますが、電子ピアノと本物のピアノでは外観の鍵盤の数は同じでも、触った時の指の感触、音色、鍵盤の重量感、音の響き、残響の美しさ、足ぺダルの感覚、機能、等全てにおいて全く違います。

言うなれば、子供の玩具の柔らかいゴムボールで硬式野球をするようなものです。

生まれたばかりの我が子に与える始めての果実なら、100%本物果汁ジュースを飲ませたいと思う親ならば、安価な人工甘味料ジュースは買い与えないはずです。

楽器も同じです。

続くかどうかわからない…ピアニストを目指すわけではない…趣味だから…下手でも良いのですか?

これから練習という継続した努力を子供に経験させるのに、第一歩から方向を間違えないようにしましょう。

本物の美しい音色を体験せずして興味も、あこがれも持たず、まして「ピアノが上手になりたい!」と思わない子供が上手になれないのは、本物のピアノで練習しないからです。

B.アップライトピアノ

アップライトピアノのメリット

アップライトピアノの
メリット

四角い家庭用ピアノです。

一般的に背の高いアップライトピアノの方が使用材質は良く、重量もあります。

価格も高額ですが、音色が豊かで反響版の木材の質が良いため、響きが美しいです。

特殊機能として「サイレント機能」と言って、スイッチ切り替えで電子音にする装置を付けることもできます。

夜の練習や、他の人に聞かれたくない時などヘッドホンで練習する事も出来るので利便性が良いです。

住宅環境を考慮して、最近ではサイレント機能付きアップライトピアノを購入される方が多くなりました。

また、自動演奏装置付きのものもあり、家のピアノから有名なピアニストの演奏を聴く事も出来ます。

アップライトピアノのデメリット

アップライトピアノの
デメリット

ただ、これは一長一短な面があり、素晴らしいプロのピアニストの演奏を聴いた後、子供が自分の習っている曲を練習するのがイヤになることがあります。

子供のために買った自動演奏がかえってピアノ練習を嫌いにさせてしまった事例です。

C.グランドピアノ

グランドピアノの特徴

コンサート会場にある大きなピアノを想像しますが、家庭用の小さなグランドピアノがあります。

初めてピアノを習う子供にグランドピアノを購入される方は少ないと思いますが、 実際レッスンが進み、上手になったらグランドピアノが弾きたくなります。

見た目が違うのは単に工芸品としての美しさではありません。

楽器としての機能そのものが違います。

例えば、演奏者が極限まで速く指を動かすtrill(トリル)奏法で鍵盤の返りが速いのです。

1秒間にアップライトピアノなら10~13回の打鍵音を出せますが、グランドピアノならば20回以上が可能です。

グランドピアノに張られている弦の長さ、材質により音色の豊かさもアップライトピアノとは比較にならない程です。

グランドピアノとアップライトピアノの、最も大きく違う点は足ペダル機能です。


通常3本ペダルがありますが、右のペダルは残響音のコントロールをします。

ピアノ演奏者は指を動かすだけでなく、自分の発した音の響きや残響を聴きながら足ペダルを細かく踏みかえて演奏に陰影を付けます。

細部にまで表情をつけるには高性能のペダルが必要です。

中央のソステヌートペダルは、演奏レベルが高くなりこれを必要とする曲がある場合のみ使用します。

使用方法は、低音を保ちながら中高音部の響きのコントロールをする時、中央ペダルを左足で、右ペダルを右足でと同時に踏みかえて曲の表現を付けます。

グランドピアノとアップライトピアノの違い

グランドピアノと
アップライトピアノの違い

アップライトピアノとグランドピアノの違いで、最も解かりやすいのが左足ペダルでしょう。

グランドピアノで左足ペダルを踏むと鍵盤全体が少し移動します。

これはグランドピアノの内に張られている弦を打つハンマーという鍵盤に繋がったヘッドが移動するためです。

この打鍵位置の移動により、音色が柔らかく、少し曇った音に変換させる事が出来ます。

アップライトピアノでは、左足ペダルを踏んでも鍵盤が移動することはありません。

アップライトピアノの内に張られている、弦と弦を打つハンマーの間にフエルト布が挟まれます。

この様にグランドピアノとアップライトピアノの機能、性能は大きく違います。

車で言うなれば、ベンツと軽自動車、電子ピアノは自転車でしょうか。

ピアノを弾く人の夢は、『グランドピアノで練習したい!』ですよ。

ピアノの選び方 まとめ

ピアノはけして安い買い物ではありません。

ですが、ピアノを習うのならば電子ピアノやキーボードではなく、しっかりとしたアップライトピアノやグランドピアノを購入されることをおすすめします。

本物のピアノの音色、鍵盤の重量感、音の響き、残響の美しさ、足ぺダルの感覚、機能、などを体全体で感じることで、ピアノの技術が身につき、ピアノの上達もはかれるのです。

子供の頃に身についたピアノは、音楽だけでなく様々な感性に繋がる一生の宝になります。

ピアノはしっかりと定期的にメンテナンスを行えば、ずっと変わらずに良い音色を奏でてくれます。

そして、一生モノのあなたの良き相棒になってくれるでしょう。

そう考えると本物のピアノは、けして高い買い物ではないですね。



長廻かおる

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